色々なところで耳にする、特殊詐欺。
NHKでも、「ストップ!特殊詐欺!」と題打って「ATMでは還付金を受け取れない」「まずは家族に相談する事」といった宣伝や自己啓発を促しております。
この還付金を目当てとした、特殊詐欺の対応策として、ある試験導入をしているようです。
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還付金目的とした、特殊詐欺の内容
還付金目的とした特殊詐欺の内容・手順はこのようになっているようです。
①信じ込ませる
特殊詐欺グループの人(以降、犯罪者)が、「自治体」や「税務署」等の職員を名乗り、「医療費の過払い金があり、還付手続方法をお伝えするためにご連絡しました。」という内容の電話をかけてきます。
また、「以前、封筒を送ったが、返信がなかったため、電話で改めてご連絡しました」と言って、信じ込ませることもあるようです。
話をまともに聞いてしまった人に 犯罪者は、「今日が還付手続きの期限のため、急ぎ対応をお願いします!」「すでに期限が切れていますが、本日中であれば、なんとかします!」といって、電話を受けた人を焦らせます。
また、「銀行窓口は混んでおり、コンビニのATMでは操作ができないため、スマホを持って近くのATMに行ってください」といい、無人ATMに行くよう指示します。
②振込操作
ATMに到着すると、犯罪者は「私が言ったとおりにボタンを押してください」、「誤った操作や、押し間違い等があれば手続ができません」等、犯罪者の指示通りに操作をするよう強調してきます。
その後、「お振込 というボタンを押してください」「次に、あなたの認証番号にあたる数字「●●●●●●」を入力してください」「入力が完了したら、画面右下の『確認』ボタンを押してください」と言い、自身の口座に入金されるものと誤信させ、お金をだまし取ります。
2020年の被害状況
上の内容を見ていただくと、「こんなことに引っかかる人はいるのか?」と思いがちですが、この、「ATMをつかった還付金詐欺」については、2020年9月までに10億円に上回る被害総額が出ているそうです。
とにかく、被害者を「焦らせる」「考えさせない」がピタッとはまると、あとは相手の言うとおりに対応して振り込みを行ってしまうんだそうです。
ATMをつかった還付金詐欺対策
この詐欺の肝になるのは「ATMの操作を電話で指示する」になります。
そのATMの操作中に支持が受けられないよう、ATM内にいるとき、強制的にスマホが圏外になる電波妨害装置を東京都内の無人ATMに試験導入したんだそうです。
どんな効果がある?
読んで字のごとくですが、ATMの近くに行くと、電波妨害装置によって、手元のスマートフォンが圏外になり、犯罪者と連絡が取れなくなります。
そうすると、直接ATMの操作の指示を受けることが無いため、被害が減る。という考えのようです。
どういう装置か
電波妨害装置 というのは新しいものでは無く、Amazonでも取り扱いがあります。
また、コンサートホール・劇場・運転免許試験場・ATM等向けに、携帯電話の圏外エリアを提供できる装置(テレ・ポーズSP)を持っている会社もあるようです。
なお、設置実績の紹介もありました。
考察
具体的にどこまで効果があるかは未知数と考えます。
ただ、コンビニに設置されているATMを含めると、全国に15万~20万台ほどのATMがあるといわれておりますので、全ATMに電波妨害装置をつけるには、労力とコスト面で見たときに折り合いがつくのか?という疑問があります。
また、犯罪者らは、ターゲットを決めた際、ATMを指定する場合もあるようで、電波妨害装置が数台入ったところで、他のATMへ誘導されるだけなのが目に見えている(還付を受けれるのは限られたATMだけ。と言われれてしまえば、きっと振り込んでしまう人は、指定のATMまで行くでしょう)。
取り組みとしては歓迎しますが、現実的かどうか。というのも併せて検討していく必要もありますね。
特殊詐欺にあわないためには
一人で抱え込まない。
これにつきます。
まずは、家族に相談する。
家族がいなければ、友人に相談する。
友人がいなければ、最寄りの警察に相談する。
人と話すと、アドバイスをもらえますし、自分で話していて「なんかおかしぞ?」と気が付くきっかけにもなります。
かかえこまずに、相談しましょう。